記憶
疲れた。疲れた。
今日も頭上には蜘蛛がいる。
何かを否定する時、皆だいたい攻撃的だ。
口調が荒っぽくて言葉が汚い。
自分の言うことが正しいと信じて止まない。
恐らくそういうことだろう。
何故怒る?何故貶す?
優しく諭すように伝えればいいだろう。
感情的になる必要は全くないのに。
私はよく出来事を忘れる。
しばしば約束も忘れる。
今日が何の日かなど記憶にない。
歴史の出来事も一年前の今日も
私の頭には入っていない。
言われないと思い出せないし
言われてもピンと来ないこともある。
悪気があるわけではないのだが
いつも呆れられてしまう。
脆弱な頭で申し訳ない。
感性
せめて、せめて生きているうちは
彼を好きな人として、恥じられぬように居たい。
私は彼のように努力家でも
才能があるわけでもないけど
彼に与えてもらったことを
受け継いでいく義務があると思う。
"理解するより認めるとこ"
簡単なことだと思うかもしれないが
人間には非常に難しいことなのだ。
人の辛い、苦しいという叫びを聞いたとき
"私も辛いんだよ、私の方が苦しいよ"
と、つい相手と比較してしまうことがある。
そうではなく彼は、相手の話を聞き
ただその人について話し合ってみる
という考えを持っている。
人の痛みは理解できないのだ。
人には人の痛みがあって
誰も同じ痛みを持っていない。
彼はなんて人間離れした人間なのだろう。
もちろん、いい意味でだ。
この彼の考えを自分で上手く噛み砕いて
咀嚼して胃の中で纏められたなら
これから話すであろう人の辛さや苦しみを
聞いて受け入れ、寄り添えるだろうか。
しかし今は自分の痛みで精一杯だ。
もう少しかかるだろうが
彼の感性を受け継ぎ伝えていきたい。
時間
今日私は25回目の誕生日を迎えた。
私の心は弱い。
私の大切な人が去年の暮、突然目の前から消えてしまった。
彼はアイドルという括りにいたが、完璧な音楽家だ。
誰よりも綺麗な心を持ち、人の痛みに寄り添える人間。
彼は幸せになりたいと切に願っていたのに。
彼を失ってから、死について考える時間が格段に増えた。
大切なものが、好きなものが、今までそこに存在したものが無くなっていく事がただただ怖い。
どう足掻いてもその時はやってくる事は理解している。
しかし失くなる度に生きる気力が無くなっていく。
あと2年でこの考えが変わらなければ、死ぬと決めている。
変われば生きようと思うが、生きる事を想定して今を生きているわけではないから、結構厳しい。